5月 152016
2016/5/12 蜷川幸雄死去。世界的な舞台演出で時代を築いた。
初めての蜷川演出の舞台を見たのはいまはなき、「木冬社」の「タンゴ・冬の終わりに」1984年。
1983年に「王女メディア」の海外公演が評判になっていたので、いろいろ調べてみてこの観劇前後からしばらく演劇鑑賞にはまっていた。
「タンゴ・冬の終わりに」は今でも強く印象に残っている。
蜷川の演出家デビューは1969年「心情あふるる軽薄さ」で脚本家:清水邦夫とのスタートだったことを知って、この演目を見に行ったと思う。
「タンゴ・冬の終わりに」では舞台美術も2014年、逝去された舞台美術:朝倉攝さんでもあった。
主演の平幹二郎の切れた演技と助演の松本典子(清水邦夫の奥さん、この方も2014年死去)の印象的な演技を見れて幸せだった。
蜷川演出では「テンペスト」は見に行ったが、スペクタクルな演出だったことしか印象はない。
舞台を縦に使うのがうまいということを聞いたことがある。
どちらかといえば、平幹二郎のファンになってしまい、
2016年1月に「王女メディア」の再演があるというのでチケットだけ買ったけどいかなかった。
すでに蜷川演出ではないが、もったいないことをした。
舞台美術の朝倉攝さんの父は有名な彫刻家の朝倉文夫氏で
日暮里の駅前にある朝倉彫塑館は朝倉文夫氏の自宅を改装した記念館。
ひっそりとしたたたずまいで、この季節には最高の場所だと思う。
確か、高村光太郎の手の彫刻が印象的だった記憶がある。
この数年間でどのジャンルでも一つの時代を築いた人がなくなっていく。
喪失の時代だと改めて思う。